今月ミドルコースで制作しているロボットは壁伝いロボット「ウォールフォロワー」です。
壁に沿って動く自動車型ロボットです。輪ゴムのかけ方や本数により、輪ゴムの復元力の強さが変わることを体験し、うまく壁をつたってコーナリングができるロボットを作ります。
迷路の脱出にチャレンジしたことはあるでしょうか。脱出の際に右手を壁伝いに沿わせて歩いていくという手法がありますが、このロボットはちょうどそのように壁をつたって動いていくロボットです。当時小学6年生だった生徒さんの全国大会での優秀作品がもとになっているもので、組み立てはそれほど難しくなく、低学年でもじゅうぶん作製可能なロボットです。
学習の重点は自動車や工作機械などで広く用いられる動力伝達の仕組み「クラッチ」です。マニュアル車ではギアを切り替えるときクラッチを踏むことでエンジンの回転が伝わらないようにしています。このロボットでは右手が壁に触れている間は左右のタイヤが共に回転するので前進し、壁がなくなるとクラッチが切られるため右タイヤへの動力伝達が切られます。そのため左タイヤのみが回転するのでロボットが右旋回し右手伝いに動いていくのです。また右旋回時には内輪と外輪で各タイヤの走行する距離が異なりますので、差動装置を用いて各タイヤの回転数を調整しています。
二枚のギヤと1本の輪ゴムで構成される簡単な機構なのですが、仕組みを説明すると「おっ!凄ぇ~」と子どもたちが目を輝かせるロボットなのです。